窓から外を見ると、近くの建物だけが書割のように浮かび、
その向こうは何も無いかのように真っ白になるほど、雪の密度も風の強さも凄い。
手術前に姉からメールが来た。
引越時に破損して届いた宅配便を戻してくるので、在宅して受け取るようにとのこと。
早い時間に宅配便が来て、受け取ったが、
破損の謝罪があるわけでもなく、普通に「受取印は不要です」と帰って行った。
なんだか納得できないまま荷物を見ると、姪から姉宛の送り状が貼ってある。
「あれ? 普通の宅配便だったのかな?」と混乱する。
姉は手術を終えて麻酔で眠っている頃だろう。午後にメールで聞いてみよう。
姉の冷蔵庫から賞味期限の迫ったものを探し、朝食を摂る。
期限間近のヨーグルトがあるので消費しなければならないが、
私はあまりヨーグルトは食べない(食べるとむしろお腹を壊しやすい)ので
何か調理に使って消費することにした。
半分位は水切りヨーグルトにしてパンに塗れるチーズ風ペーストにしようか。
残りは、姉が帰宅後に焼くだけ簡単調理で済むようタンドリーチキンを仕込もう。
父の五十日祭のお供えフルーツも一部傷みが出てきているので、剥いて冷凍しようか。
食器を洗いながら、ふきんを干す場所がないな、とか
引越直後の不便な点が色々目についてきた。
姉が戻って来る前に少し整えておいてあげたいな。
面会の帰り道に細々したものを調達しておこうか。
午後になって麻酔が醒めたかな、と思いメールする。
受け取った荷物は破損品だったようだ。
手術時に麻酔の管を入れていたので喉が痛い、飴を買ってきてほしいとのリクエスト。
院内の上履きと飴は必要なので吹雪が落ち着いた頃合いに買物に出よう。
明日は私も一旦厚田に戻りたいので、帰りのバス停も明るいうちに確認しておきたい。
面会で隣駅に行く前に、姉の家の最寄駅近辺を把握するためちょっと外出。
厚田行きの路線バスは往路と復路が少しルートが違う。
乗り遅れれば次が1時間後なので、バス停を確認しておく。
できるだけ吹雪の中を歩かなくていいように、地下鉄に下りては
周辺地図を確認し、また外に出て、を何回か繰り返す。
地下鉄直結でスーパーがあったんだね。タンドリーチキンの材料を調達できた。
姉からメール。
看護師さんが院内の売店で上履きと飴を買ってきてくれたとのこと。
大雪の中わざわざ来なくてもいいよと言ってくれた。
後でいいけど、郵便局に転送届を出すのと、ネット環境の契約をしてほしい、とも。
そういえば、あちこちウロウロしたけど、郵便局はノーマークだったな。
また地下鉄駅に行って、周辺地図で近隣の郵便局を探す。
あ、幹線道路沿いじゃないので見つけられなかったけど、以外と近所にあった。
さて、大型スーパーや100円ショップで必要なものを調達しに、隣駅へ行こう。
う~ん、色々揃っている駅だけど、回線キャリアのショップは無いみたいだな。
何を調べるにも外出しなければならない状況は早く解決してあげなきゃな。
これは、厚田に戻ってからネットで調べることにしよう。
100円ショップで突っ張り棒を調達しようと思ったが、
耐荷重が少なすぎて役立たなそう。大型スーパーに手ごろな物が有って良かった。
退院後、部屋の中で動くのも大変だった自分の状況を思い出すと、
あれこれ思い悩み時間がかかってしまった。すっかり暗くなってから姉の家に戻る。
いや~、なかなかの吹雪だった。風が強いので、雪がつぶてになって痛かった~。
姉は手術後の痛みで唸っているかもしれないなぁ。
郵便局も近くにあったよ~とメールしてみた。
『大雪の中外出して転倒したらまずい。お願いだから外出しないで。
家にあるもので食べてちょうだい』と返答。
けが人に心配させちゃったなぁ、と申し訳なく思いつつも、
自分のご飯のために外出した訳じゃないのになぁとちょっと悲しくなる。
メールって、相手の感情がよくわからない。
でも、文面からイライラが伝わってくるようで、怖い。
荷物の受取の報告も、外出の報告も、却って怒られてしまったようで
なんだかモヤモヤが残った。
やることなすこと、なんか裏目に出てる。
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